これだけは気を付ける
模擬口頭試験のレビューは、一般部門＝６つのコンピテンシー、総合技術監理部門＝５つの管理で整理すると、一気に実力アップにつながります。
本番前の模擬口頭試験は回数よりも振り返りの質が命です。
一般部門編：６コンピテンシーで自分の答案を採点する
一般部門のレビューで、まずやってほしいことは自分の受け答えを６つの箱に仕分けすることです。
箱とは、日本技術士会から公表されている技術士のコンピテンシーです
コミュニケーション
専門外の人にも伝わるレベルまで噛み砕けていたかを振り返ります。
専門家には正確に、専門家以外にはわかりやすく、です。
リーダーシップ
多様な関係者の利害をどう調整したかです。
評価能力
採用案だけでなく、他案との比較や限界を書けていたかを確認します。
なぜその案がベターだと言えるのかを一文で付け足してみると、ここが一気に強くなります。
マネジメント
人・モノ・カネ・情報という限られた資源を、どのように配分したかを説明できたかを確認します。
頑張りましたではなく、だからこの工程に重点配分したという言い方に直してみます。
技術者倫理
トラブルや不具合の質問で、言い訳だけになっていないかを確認します。
技術士法第１条が基本軸です。
継続研さん
自己の資質向上です。
模擬口頭試験の録音を聴きながら、質問ごとに今の答えはどの箱を使って話したかを書き出すと、自分のクセがはっきり見えます。
ほとんど使えていない箱が伸びしろです。
総合技術監理部門編：５つの管理で責任者としての視点を見直す
１ ５つの管理をチェックリストにする
レビューのときは、次のような表を作ると便利です。
- 経済性管理
ＬＣＣ、費用対効果、投資の優先順位に触れたか。コストを削る話だけになっていないか。 - 安全管理
リスクの洗い出し、優先度付け、対策の三点セットで語れたか。
単に問題ありませんでしたで終わっていないか。 - 人的資源管理
要員配置、教育、外注の使い方、働き方への配慮など、人に関する視点を入れたか。 - 情報管理
記録・共有・フィードバックの仕組みを説明できたか。
ツール名だけでなく、どう活用したかまで話せたか。 - 社会環境管理
環境負荷、地域との合意形成、国土強靱化や流域治水など、最近のキーワードを盛り込めたか。
各質問について、この答えはどの管理の話になっているかを後から線で結んでみると、ほとんど触れていない管理が見つかります。
そこが総監らしさが足りない部分です。
２ トレードオフと総合管理の視点を足す
総合技術監理部門は５つの管理をバラバラに考える試験ではありません。
相反する選択肢を調整する総合管理が本質です。
レビューでは、次の一文を必ず入れてみてください。
「安全性向上のためにコストが増えたが、□□の理由からここには投資すると判断した」
「短期的な経済性は下がるが、人的資源管理の観点から若手育成に時間を割いた」
こうしたトレードオフの一文を加えるだけで、担当者の説明から責任者の説明に変わります。
さらに、属人的な判断にしないため、△△のチェックリストとレビュー会議の仕組みをつくったと締めると、総監で求められる仕組みづくりの視点も自然に盛り込めます。
まとめ：模擬は回数よりも振り返りの質で決まる
模擬口頭試験は受けただけでは高い体験料で終わります。
録音を聴き直し、
この視点を大事にして、自分の回答を書き換えていく。
この作業を２～３回繰り返せば、同じ質問が来たら１ランク上の答えが出せる状態に着実に近づきます。
模擬口頭試験の回数を増やすより、１回の模擬をどこまで深くレビューするか。
ここが、合格者と不合格者を分けるポイントです。
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