筆記試験の合格発表
本日は技術士二次試験の筆記試験「合格発表」です。
毎年のことですが、合格発表は胸が高鳴りますね。
合否および成績の通知は郵送で届きますが、本日発送されるのは不合格者あての通知です。
合格者は年末の口頭試験日程の調整があるため、発送は本日から一週間程度遅れます。
もっとも、郵送を待たずとも日本技術士会ホームページで合格者の受験番号が公開されていますので、多くの方はオンラインで確認するとは思います。
成績は、必須科目(問題Ⅰ)、選択科目(問題Ⅱ・Ⅲ)ごとにA・B・Cで評価されます。
Aが60%以上、Bが60%未満40%以上、Cが40%未満で、合格はA判定のみです。
必須科目がAでなければ選択科目は採点されません。
選択科目はⅡとⅢが個別に評価され、合わせた評価も行われます。
つまり、ⅡがA・ⅢがBでトータルAになることもあります。
年度の合格率調整の影響も想定されるため、A+Bの組合せは最終評価がAになる場合もBになる場合もありえます。
なお、点数付きでの個人成績の開示請求が可能です。
日本技術士会の案内に従って申請すれば、判定だけでなく点数も取得できます。
今後の対策に活かしたい方は検討してみてください。
口頭試験に向けて
合格された方はここからが本番です!
口頭試験は合格率が100%ではなく、毎年1割強が不合格となります。
口頭試験は偶然では合格しません。
不合格だと翌年は筆記からの出直しになります。
オンラインでの模擬口頭試験対策を用意しています。
<今年度の直前チェック>
・受験申込書・業務経歴の再点検(経験の整合、キーワードの明確化)
・筆記答案の想定深掘り問答(「なぜ」「他案との比較」「リスクと対策」)
・最新の国土交通白書・関連基準の要点整理
・倫理・技術者責務・安全衛生・レジリエンス・DXの定番論点の言語化
・模擬の録音→自己レビュー→言い換えテンプレの準備
残念ながら不合格の場合
今回残念だった方は、原因分析をすぐ始めましょう。
不合格には理由があります。
一人で悩むより、第三者の視点で一緒に棚卸しする方が圧倒的に早いです。
論文構成の破綻、設問意図からの逸脱、用語の甘さ、具体性不足などは典型的な減点要因です。
まずは再現論文を作成し、数日置いてから見直してください。
新しい気づきが必ずあります。
来年の試験日は既に見えているはずです。
自分で決めた期間は休憩を取り、早めに仕切り直して、今から業務経歴票を作り込みましょう。
<今年度向けの立て直しポイント>
・答案の「章立て→結論先出し→根拠→具体策→リスク→効果」の定型化
・観点の写し漏れ防止(欄外チェックリスト化)
・1設問=600/1200/1800字の配分テンプレ作成
・過去問の「合格答案の粒度」を手本に、同じ密度まで情報を圧縮
・月1回の模試+週1回の60分タイピング訓練で出力体力を維持
筆記試験突破の虎の巻
技術士試験は、初年度に集中して合格するパターンと、数年の挑戦で合格を得るパターンが目立ちます。
どちらにせよ、早く受かるに越したことはありません。
働き方改革で残業上限が厳格化され、平日の夜に学習時間を確保しやすくなっています。
まずは30分×21日間、帰宅後の「固定勉強時間」を死守しましょう。
21日続けると脳が習慣として認識し、無意識に勉強できるようになります。
ゴールから逆算し、採点者視点で「合格答案の条件」を満たすだけです。
言語化すれば実にシンプルです。
・設問の要求に「愚直」に答える
→観点明記の指示があれば必ず見出しで明記
・論点を「ブレずに」絞る
→問われた課題と別の課題に脱線しない
・解答用紙に空白を作らない
→情報密度と具体策で埋める
・構成は読み手起点で
→問題文の順で章立て、結論先出し
・意味が通る日本語
→主語と述語を近づけ、一文は40文字前後でも十分
言うは易し、行うは難し。
だからこそ、インプットよりアウトプットを重視し、定期的な添削で「減点要因の除去」を習慣化しましょう。
<今年度版の学習メニュー>
・週次:Ⅱ‐2/Ⅲの想定設問で「60分一本勝負」→即セルフ赤入れ
・隔週:口頭想定問答(業務・倫理・安全・情報・社会環境)
・月次:国土交通白書と最新通達の要点2ページ要約
・常設:自分専用の「言い回し辞書」を更新(定義文・効果文・トレードオフ文)
まとめ
筆記試験に合格された皆さま、おめでとうございます。
あとは年末の口頭試験を突破するだけです。
まぐれはありません。
準備を重ね、堂々と臨んでください。
惜しくも不合格だった皆さまは、原因分析が最初の一歩です。
当時の答案を直視するのはつらいですが、振り返りこそ最短距離です。
早めに動き、学習を習慣化し、来年は名刺に「技術士(建設部門)」を刻みましょう。


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