受験申込が始まりました
令和8年度の技術士第二次試験の受験申込受付が始まりました。
この時期になると、多くの方が論文対策に意識を向けます。
しかし、毎年お伝えしている通り、業務経歴票はただの申込書ではありません。試験の一部です。
今年度の受付期間は、WEB受付が4月14日17時まで、郵送受付が4月15日消印有効です。
期限直前に慌てて埋める書類ではありません。今の段階でしっかり仕上げる必要があります。
業務内容の詳細で、まず押さえるべき公式ルール
日本技術士会の受験申込み案内では、業務経歴の詳細欄に○を付けたものについて、業務内容の詳細を目的、立場、役割、技術的内容及び課題、技術的成果などを踏まえて、720字以内、図表なし、半角文字も1字として、簡潔かつ分かりやすく記入するよう求めています。
さらに、期間中に複数業務がある場合は、その中から1つを選んで記入するルールです。
つまり、単なる経歴紹介では足りません。
何を目的に、どの立場で、どんな技術課題に向き合い、どう成果を出したか。
この流れが見える文章にしないと、公式要件を満たしたことになりません。
なぜ業務経歴票が重要なのか
技術士第二次試験の口頭試験は、筆記試験の記述式答案と業務経歴を踏まえて実施されます。
また、日本技術士会のFAQでも、実務経験証明書は口頭試験で採点はしないが、試問の際の参考として使用されると明記されています。
つまり、業務経歴票は点数そのものではなくても、口頭試験の入口を決める資料です。
ここを雑に書くと、試験官にこの人は何をやってきた人なのかが伝わりません。
逆に、専門性、役割、判断、成果が自然につながる文章になっていれば、口頭試験でも自分の土俵に持ち込みやすくなります。
業務経歴票を軽視して、あとで口頭試験対策だけで挽回しようとするのは危険です。
今年度、特に意識したいこと
令和8年度第二次試験からは、改訂版コンピテンシーが適用されます。
改訂内容では、問題解決でデータ・情報技術の活用やステークホルダーの意見の取り込みが明記され、コミュニケーションでも情報技術の活用と包摂的な意思疎通・協働が入っています。
したがって、今年の業務経歴票では、単に経験を書くだけでなく、どう整理し、どう調整し、どう判断したかを従来以上に見せることが重要です。
特に、次の3点は外せません。
1つ目は、自分の立場が明確かです。
担当者なのか、主任なのか、管理技術者なのか。
ここが曖昧だと、リーダーシップもマネジメントも伝わりません。
2つ目は、技術的課題が具体的かです。
苦労しました、調整しました、では弱いです。
品質、工期、コスト、安全、周辺条件、法規制など、何が制約で何が課題だったかを具体化する必要があります。
3つ目は、成果が技術的に語られているかです。
無事故、工程遵守だけでは足りません。
性能確保、リスク低減、施工性向上、維持管理性向上、合意形成の前進など、技術士にふさわしい成果へ言い換えることが大切です。
総合技術監理部門の方は、さらに注意
総合技術監理部門を申し込む場合、業務内容の詳細は総合技術監理の視点、すなわち経済性管理、人的資源管理、情報管理、安全管理、社会環境管理から記入するよう、受験申込み案内で示されています。
一般部門の感覚でそのまま書くと、総監らしさが出ません。
5つの管理をただ並べるのではなく、全体を俯瞰し、総合的に判断したことが伝わる構成にする必要があります。
まとめ
業務経歴票は、受験申込時に一度作って終わりの書類ではありません。
口頭試験までつながる、最初の勝負どころです。
だからこそ、申込期限に間に合わせることだけを目的にせず、
・立場
・技術課題
・判断
・成果
この4点が一読で伝わる内容に仕上げてください。
論文と違って文字数は720字です。
短いからこそ、ごまかしがききません。
今この時期に業務経歴票を作り込める人が、後半で伸びます。


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