技術士試験後の心得と再現論文作成のススメ

再現論文
目次

試験お疲れさまでした!

まずは、技術士第二次試験を終えられた皆さん、本当にお疲れ様でした。
長く厳しい時間を乗り越え、論文に挑んだこの経験は、今後の技術士人生においても価値ある糧になります。

一方で、試験が終わった後に不安にさいなまされると思います。
「自分の論文は本当に評価されるのだろうか?」、「思ったとおりに回答できなかった」といった不安がある方も多いのではないでしょうか。
そんな時こそ、再現論文の作成極めて重要になります。

なぜ再現論文が必要なのか

  1. 口頭試験対策の基礎になる
    再現論文を作ることで、ご自身の論理の流れや使用したキーワードを再確認できます。
    口頭試験では、再現論文に書いた内容について説明を求められることもあります。
    再現論文がないと「書いたけど正確に説明できない」状態に陥りやすくなります。
  2. 本番の思考過程を客観的に検証できる
    本番の緊張状態の中で書いた論文を書き起こすことで、論旨の不明点言い回しの弱さ構成の乱れが見つかります。
    改善点を明確化することで、口頭試験次年度への再挑戦に備えるマイルストーンになります。
  3. 「合格論文」への最初の一歩となる
    再現論文をブラッシュアップすることで、合格論文に近づけることができます。
    再現論文を素に改善・強化していくだけで、合格可能性の高い論文に仕上げられます。

再現論文作成時のチェックポイント

総合技術監理部門

総監は「技術者倫理」「組織・プロジェクトマネジメント」「全体最適」など、体系的・俯瞰的視点が求められる部門です。
論理の流れにおいて、どのように「トレードオフの判断」や「ステークホルダー間調整」などを示したか、再現時に明確化しましょう。

建設部門

実践的な技術に関する知識と、合理化・安全管理など即効性のある記述が求められます。
今までの知見を踏まえ、「どの工程で」「何を」「どのように改善・効率化したか」を具体的に再現し、口頭試験の事例説明の礎にしましょう。

再現論文作成のタイミングと留意点

  • 試験直後から1~2週間以内
    記憶が鮮明であるうちに、設問への回答内容・キーワード・構成を丁寧に書き起こすのが理想です。
  • 「観点・課題・解決策・波及効果」の整理
    これは多くの合格者が推奨するフレームワークです。
    設問に対し、どのような視点で課題を抽出し、何を・なぜ・どうやって解決し、それに伴う効果や懸念は何かを体系的に整理しましょう。
  • 加点要素の盛り込み
    技術士倫理(情報公開、利害調整、公正さ)、安全性・持続可能性の確保などを意識して、必要箇所に自然に反映させます。
    このことが総合評価でのプラスに働きます。

おすすめのワークフロー

  1. 記憶が鮮明なうちに再現論文を書く
  2. 数日後に読み返す&構成・表現を見直す
  3. 同僚・技術士に添削してもらう(有料・無料講座を活用)
  4. 合格論文へのブラッシュアップを検討 (必要であれば講座受講)
  5. 口頭試験対策(想定質問への回答練習)
     試験の前後で流れをつかんでおくと、口頭対策も実効性が高まります。

おわりに

試験が終わって一息つく間もなく、再現論文作成に着手すると、不安が整理され、口頭での説明の自信もつきます。
さらに、来年度に向けた総括の材料にもなります。

特に、多面的視点実務的観点が合否を分ける試験です。
再現論文を通じて見落とした課題や波及効果・懸念事項を明確にすることが、次のステップへの気づきとなります。

筆記試験での全過程を自己分析し、再現論文を磨き上げるこの作業が、最も有意義な振り返りとなるでしょう。
ぜひ手を止めず、再現論文作成に取り組んでください。
そして、口頭試験対策を行うまで、期限を決めて休んでください。
筆記試験の合否から口頭試験まで1か月程度しかありません。

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この記事を書いた人

技術士(総合技術監理部門、建設部門)

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