技術士二次試験 合格体験記

インキュベーション
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受験の動機

今回は、技術士二次試験合格体験をお伝えします。

皆さんは、どのようなきっかけで技術士を目指し始めたでしょうか?
上司からの勧め、尊敬する先輩が保有していた、親が技術士だった——その動機はさまざまだと思います。

多くの場合、会社から「取得してほしい」と言われたのが始まりではないでしょうか。
であるならば、当初から受験に対する強い意志があるわけではありません。
しかし、取得すれば「本当に取って良かった」と心から思える資格になるかと思います。

受験申込書の準備

技術士試験における申込書の作成は、単なる事務手続きではありません。
この時点で試験はすでに始まっていると考えるべきです。

特に「業務経歴票」の記載内容は、筆記・口頭の双方に強く影響します。
必ず先輩技術士、できれば現行制度で合格した方に添削を依頼しましょう。
旧制度と異なり、現在の試験ではコンピテンシー(実務遂行能力)が重視されます。

申込書の完成度が低いと、筆記試験を突破しても口頭試験で太刀打ちできなくなる可能性が高くなります。

筆記試験の準備

筆記試験の準備期間は人によって異なります。
未受験であれば、年明けからの準備が望ましく、過去に数回受験している方であれば、ゴールデンウィーク明けから本格的に始めても間に合う場合があります。

技術士試験は、単なる暗記ではなく「課題解決に向けた構想力・論理力」を問うものです。
ベテラン技術者として、自らの経験を基に課題設定から解決策までの道筋を描くことが求められます。

問題構成

  • 問題Ⅰ:技術者としての課題抽出・分析、解決策の提示、リスクと対策、技術者倫理
  • 問題Ⅱ-1:専門技術に関する記述(業務知識のアウトプット)
  • 問題Ⅱ-2:実務的なプロセス設問(調査項目、手順、関係者調整)
  • 問題Ⅲ:問題Ⅰの倫理パートを除いた形式、専門性をより強調

記述分量と時間配分の目安

  • 問題Ⅰ:120分(骨子作成20分、記述90分、見直し10分)
  • 問題Ⅱ-1:30分(骨子5分、記述20分、見直し5分)
  • 問題Ⅱ-2:60分(骨子10分、記述45分、見直し5分)
  • 問題Ⅲ:120分(骨子20分、記述90分、見直し10分)

最大で原稿用紙9枚(約5,400字)を5.5時間で書き上げる必要があります。
普段パソコンに慣れている方は、手書きの訓練を怠ると本番で腕がつらくなるので要注意です。

ぶっつけ本番ではまず書ききれません。
記述士」と呼ばれる理由がよく分かる試験です。

口頭試験の準備

筆記試験を通過したら、次は口頭試験です。
面接官は、業務経歴票の内容を読み込んだ上で質問をします

業務内容が曖昧だったり、専門性が不十分に伝わっていたりすると、面接時間(20分程度)の中で確認事項が増え、非常に不利な状況になります。

重要なのは、面接官に「この人は専門知識と業務遂行力を持っている」とあらかじめ思わせること。
これは業務経歴票の完成度次第です。

なお、口頭試験は「落とす」ための試験ではありません。
面接官はあなたの筆記答案を読んだ上で、合格ラインに達していると判断したからこそ面接に呼ばれているのです。

そのため、面接で必要以上に反発したり、制度批判を述べたりするのは逆効果です。
議論は合格後に、堂々とすれば良いのです。

技術士としての登録

合格発表は例年3月、官報に氏名が掲載されます。

この時点ではまだ「技術士」ではなく、登録手続きが完了して初めて名乗ることができます
名刺やSNSで技術士を名乗るのは登録完了後にしましょう。
登録前に名乗ると、30万円以下の罰金の対象となる可能性もあります。

おわりに

以上、技術士登録までの流れと、各フェーズでの注意点・準備内容をお伝えしました。

技術士試験は年単位の長丁場ですが、確実に合格へ向かうためには戦略的な工程管理が不可欠です。
自らの業務経験をもとに、「考えて書く力」を磨きながら、計画的に進めていきましょう。

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この記事を書いた人

技術士(総合技術監理部門、建設部門)

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